週間予報も、前日の予報も、
イベント当日には雲と傘マークが並んでいた。
イベント前夜も、確実に雨が降った。
しかし、一夜明けてみれば雨は上がり、
しかも晴れ間すらのぞいている。
どうやら天気の神様が、
この一帯だけを特別に晴れさせてくれたのかもしれない…。
そんな思いこみが真実に思えてくるほど、
9回目のミーティングは奇跡的だったのである。

今回の会場は、静岡県の御前崎市にある、“マリンパーク御前崎”。
すでにこのミーティングが開催されるのは
3度目という場所である。
2回目のときには、ラブ・ジ・アースミーティング
最大参加者人数を記録したこともあり、
今回も再び最高記録を更新することが十分に予想された。
しかし、天気予報はことごとく曇りと雨を連呼し、
実際に御前崎市近隣の地域では
「すでに降っている」との情報ももたらされた。
誰もが雨の中でのミーティングを覚悟したのだが…。
なんと、当日の会場には晴れ間が広がっていたのである。
いまだ夏を感じさせるギラギラとした日射しが照りつけ、
雨が降る気配などまったく感じさせない。
多くの来場者も「来る途中に降られました。
でも会場に近づくにつれて晴れてきて…」
と、 この天気を不思議に感じつつも喜んでいる。
この日、なぜかこの会場付近だけが
晴れ渡っていたことは事実だった。

こんな不思議な天気に恵まれ、海岸清掃は順調にスタート。
ライダーや地元住民が力を合わせ、砂浜に打ち上げられたゴミなどを拾っていく。
今回は流木のほか、台風による強い波のせいだろうか、
小さなビニール片やプラスチック片なども多い。
御前崎はウミガメが産卵にやってくるところ。
まさにウミガメが誤飲してしまいそうなサイズのゴミが、
無数に散らばっていたのである。
すべてのゴミを完全に拾いきることはできないけれど、
少しでもこういったゴミを減らすべく、
参加者は汗を流したのである。

また今回のミーティングには、多数のゲストが参加した。
まずは、御前崎市長の石原氏。地元住民の方々にとっては、
大きな励みになったはずだ。
また数々のプロライダーが名前を連ねるのも
このミーティングの特徴だが、今回の面々もすごかった。
秋吉耕佑氏、阿部典史氏、岡田忠之氏、難波恭司氏、水谷勝氏、
梁明氏、清原明彦氏（順不同）といったビッグネームが集合し、
ここに実行委員の佐藤信哉氏と鶴田竜二氏が加わる豪華メンバー。
もちろんゲスト全員が、一人の参加者としてゴミ拾いに参加。
とくに大きなアナウンスもなくゴミ拾いに加わっていたので、
そばにいることに気づき、
驚きの声を挙げる参加者も少なくなかったのである。
参加者全員の力を合わせた結果、受付開始から1時間30分の間で、
約4t(流木、粗大ゴミを除く)のゴミを
回収することができたのだった。

午後からのステージイベント「第2部」で、
メインとなったのはもちろん多彩なゲストによるトークショー。
まずは石原市長が参加者に対する感謝を述べるとともに、
御前崎市のツーリングスポットなども紹介。
そしてプロライダーが次々と登場する
トークショーへと移っていく。
すべてのライダーのトークが非常におもしろかったのだが、
なかでもとくに注目度が高かったのは、
やはり今年の8耐優勝ライダーである秋吉選手。
このイベントの一週間後にはMotoGPに
参戦することが 決定していることもあり、
参加者からも期待を込めたエールが送られたのである。
またラブ・ジ・アースミーティング1stにも参加した水谷勝氏。
サーキットで重大な事故に遭い、
いまだ全快というにはほど遠い状態でありながら
ステージに立つその姿は、多くの人に勇気を与えたことだろう。
トークショーの後は、チャリティオークションやジャンケン大会
といったメニューがあり、恒例の集合写真撮影、サイン会などが
開催されてイベントは閉幕。
気付いてみれば、イベント開始から閉幕まで、
会場には一滴の雨すら降ることもなかったのである。

天気が影響したのか、
今回の参加者人数は前回を下回る650人だったが、
それでもこれだけの人数が集まることに大いに勇気づけられた。
強い西日を浴びながら、ライダーたちは会場を後にしていく。
これから先に雨が待ち受けているかもしれないが、
どこか後ろ姿にすがすがしさを感じるのは、
このイベントだったからかもしれない(S)。

第9回 ラブ・ジ・アース ミーティング開催時に寄せられたメッセージです